転職サイトに記載されている年収額は嘘?本当はどれくらいもらえる?

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転職をしようとした場合に、力強い味方となってくれるのが転職サイトです。

転職サイトを使って求人情報を調べていると、企業ごとに年収例を示しているものが多く見つかりますが、実際にその企業で働いている人の口コミ情報などを見ると、どうも開示されているほどもらっているという人はいないのではないかという気になります。

そこで、以下では転職サイトに掲載されている年収例の真実に迫ってみることにします。

年収例は当てにできるのか?

まず最初に、結論から言うと転職サイトの求人情報に記載されている年収例はあくまでも参考情報として見るに留めた方がよいでしょう。

過度に信じ込まないほうが転職活動はうまくいくはずです。

年収例のからくり

ほとんどの転職サイトにおいては、企業側が年収例を記載する際に決まったルールなどは存在しておらず、企業としてはなるべく優秀な人材を集めるために魅力的な金額を開示するというインセンティブが働きます。

一方で、嘘の情報を掲載するとなると、後々訴訟沙汰となるリスクもあることから、まったくのでたらめの金額が記載されているというケースはそれほどないと思ってよいでしょう。

となると、必然的に年収例として記載されるのは、その企業で実際に働いている社員の中でもっとも待遇のよい優秀な人の給与水準が記載されるはずであり、転職してすぐに自分がそれと同等の給与を得られると考えるのは早計です。

年収例よりも参考になる情報とは

では、自分がどの程度の給与をもらえるのかを事前に把握する術はないのでしょうか?これについては、最低賃金を調べてみるのがおすすめです。

企業によって開示しているところと、していないところがありますが、最近ではたいていの情報はインターネットで検索することが可能となっていますので、企業名と最低賃金という単語を使って調べればおおよその水準を把握することはそれほど難しいことではありません。

最低賃金が分かると、少なくともそれよりは多い給与を得ることができるという推測が可能となりますので、それをもってその企業に就職した場合に自分が求めるレベルの金額となるかどうかを確認することが可能です。

もっとも、成果主義を徹底している企業などでは、社員ごとの給与の差がかなり大きいところがありますので、そのような会社については最低賃金だけ見ていては待遇を見誤る可能性があるという点は理解しておく必要があります。

企業はなぜ年収例を載せるのか?

企業が年収例を開示している理由としては、前述のように自社を魅力的に見せることで優秀な人材を集める以外に、業界内における自社の給与水準を知らしめるという効果があります。

すなわち、基本的に求人情報に掲載されている年収例は各社の最高水準の人材が得ている金額だとすると、必然的に業界内の各社の年収例を比べることによって、どこの企業に勤務すればもっとも高給を得ることができる可能性があるかがわかるということです。

そのため、給与水準の高い会社であればあるほど、他社よりも自社のほうが社員待遇がよいということをアピールすることができることから、より積極的に年収例を載せているということができるでしょう。

年収とは何か?

求人情報に記載されている年収例を見る際に、そこでいう年収とはどういう金額を示しているのかという点をしっかりチェックしておく必要があります。

年収に含まれ得る金額

一般的に年収といった場合、労働の対価として企業から支払われるあらゆる金銭の合計額を意味することが多いです。

たいていの企業でこれに該当するのは、月給、手当、残業代などであり、企業ごとにばらつきがあるのが賞与です。

この点、転職サイトによっては年収の定義を明確にしていないところがあり、そのようなサイトに掲載されている年収例については、ある企業では賞与込みの金額を開示しているのに対して、別の企業では賞与を除いた金額を開示しているということが起こり得ます。

また、残業手当の扱いについても企業ごとにまちまちであり、年俸制を採用している企業などではそもそも一定時間内であれば残業代を支払わないというところもあります。

そのため、記載されている年収例に何が含まれているのかをしっかりと確認しないままに、入社してしまうと自分の思ってたよりも少ない年収しか得られず、嘘の情報が開示されていたと感じることになりかねないというわけです。

手取りと額面

年収例を見る際に抑えておくべきもう一つの点として、記載されている金額は通常は年収の額面ベースの金額であるということです。

日本の場合には、基本的に労働者に支払われる給与や賞与については企業側で税金を源泉徴収することになっており、実際に支払われる際には所得税に加えて社会保険料が控除された金額となります。

従って、必然的に額面金額と手取りの金額との間には大きな差が生じることになることから、開示されている年収例が手取りだと誤解すると、実際に給与を受け取った際にこんなはずではなかったということになりかねません。

額面と手取りの金額が異なることは、社会人としての常識ではありますが、転職活動をしていると、意外に頭から抜け落ちがちですので、誤解しないようにしておく必要があります。

転職サイトの年収例は嘘といえるのか?

すでに述べたように転職サイトに掲載されている求人情報中の年収例は、多くの場合でその企業で働いている社員が受け取っている年収のうち最高水準のものであることが多いです。

もっとも、そういった転職サイトの年収例はどこにも記載されていないことが通常であるため、人によっては企業が嘘をついていると感じることもあるのではないでしょうか。

場合によっては、そのような転職サイトは使うべきではないという人もいますが、そのように曲解することはできれば避けたほうがよいでしょう。

掲載される情報の特徴とは?

この点、転職サイトの仕組みとして、求人情報を掲載している企業から料金をもらって収支を立てるようになっているところが圧倒的に多いことから、サイトとしては企業に不利な情報しか掲載させないようにすることは困難です。

例えば、出世がしづらい勤務環境であるといった情報や、有給取得率が低いといったような情報は、サイトとして企業に開示を強いることはできないでしょう。

そのため、必然的にサイトに掲載される求人情報には企業にとって都合のよい情報が大半を占めることになります。

もっとも、そのことは企業が嘘の情報ばかりを載せているということにはなりません。

企業の立場としても、社会的な信用を保つ必要があるため、虚偽の情報で社員を集めているという風評が流れることは決してビジネスに有利には働かないからです。

そのため、求人情報に含まれる企業の情報としては、嘘ではないが企業にとって都合のよい情報か、そうでなければかなり曖昧で何とでも解釈できるような情報ばかりとなるわけです。

求人情報の見方

このことが分かった上で求人情報を見てみると、そこに記載されている情報ばかりに依拠することはリスキーであるということが分かるでしょう。

もっとも、虚偽である可能性も低いことから、参考として情報を把握しておく価値は十分にあるともいえます。

一方で、企業に応募する側としては、その会社のネガティブな面についても把握しておきたいと思うのが当然ですが、そのような情報は求人情報だけ見ていてもなかなか出てこないことから、別の方法で自分で調べることが求められることになります。

そのための方法としては、インターネット上の検索サイトや掲示板などで調べるということがもっとも簡単ですが、得られる情報は玉石混交ですので、必ずしも真実ばかりであるとは限りません。

より確実な方法としては、面接などを通じて企業の採用担当者に直接質問してみるというやり方があります。

過度にネガティブな質問ばかりすることはお勧めできませんが、面と向かって質問されればなかなかごまかすことは難しいため、実際のその企業の事情を知るためには試してみる価値のある方法であるといえるでしょう。

企業側はどのように考えているのか?

年収例を開示する企業の側としては、そこで実際に働いている社員の処遇を公にすることから、できれば具体的な金額は明かしたくないと考えるのが当然です。

一方で、まったく年収の水準が分からないと、優秀な人材を採用することが難しいことから、なんらか開示する必要があるということで、なんとかひねり出して開示しているのが社内の年収水準のなかでも高めのところからとってきた金額であるといえるでしょう。

従って、企業としては嘘を開示しているという意識はまったくなく、むしろ苦心して転職者の役に立つ情報を出しているという意識が強いため、掲載されている金額がおかしいといって変にクレームするようなことはおこなうべきではありません。

また、掲載している年収例は、全員とはいえないまでも少なくとも、成績が優秀であれば実際に得ることができる水準の金額であるとも言えることから、企業からしてみると本当に有能な人材であればその金額を支払う可能性があるということにもなります。

そのため、転職して最初からその水準の年収を得られるということではないものの、活躍次第でその程度まではアップサイドがあるという風に理解するというのが年収例の正しい使い方ともいえます。

年収例は嘘ではない

以上で見てきたように、転職サイトの求人情報に含まれている年収例は決して嘘の情報というわけではなく、その仕組みや掲載している企業の立場を理解した上で見ると、かなり有益な情報であるということができます。

すなわち、そこに掲載されている金額は、活躍によっては将来的に自分が同等の年収を得ることは不可能ではないということから、その企業を志望する動機付けになりますし、あえて年収例を開示している企業はそれだけ自社の報酬体型に自信をもっているともいえるわけです。

また、ネガティブな情報が知りたければ、インターネットで検索したり、直接企業に問い合わせるといった方法もあることから、年収例はあくまでも参考として理解した上で、必要な情報は自分で調べるというスタンスを保てば、企業が開示している情報に振り回されることもないでしょう。