障害者で転職を考えているなら?おすすめの転職サイトまとめ!

1.総合人材-車いすに乗っている男性 おすすめの転職サイト

2018年に明らかになった官公庁における障害者雇用水増し問題は、各方面に大きな衝撃を与えました。

「国がルールを守らないなら民間でも守りたくないと言い出す企業が増えてしまうのでは」と不安になった人もいるのではないでしょうか。

とはいえ、2018年から改正・障害者雇用促進法が施行され、障害者雇用には追い風が吹いているともいえるのです。

そこで、ここでは転職や就職を考えている障害者が知っておきたいおすすめの転職サイトを紹介します。

追い風ってなに?そもそも障害者雇用促進法の改正ってどんなものなの?

「障害者雇用促進法」は、より多くの障害者がより働きやすくなることを目指して制定されました。

官公庁や企業に対して「法定雇用率」と呼ばれる割合に従って障害者を雇用することが義務付けられたのです。

この基準を満たさない企業には原則的に不足人数1人あたり5万円の納付金を支払うことが求められています。

そのため、中小企業のなかには納付金が大きな負担になっているところも少なくありませんでした。

そんななか、2018年に障害者雇用水増し問題が発覚して大きな社会問題になったのです。

そもそも、官公庁には納付金の義務がないことも明らかになりました。

一方、2013年に制定された改正・障害者雇用促進法が2018年から施行されています。

主な改正ポイントは下記の3つです。

  1. 精神障害者が対象に
  2. 対象企業の拡大
  3. 法定雇用率の見直し

精神障害者が対象に

改正前は身体障害と知的障害の2つが障害者雇用促進法の対象でした。

ところが、改正後は「発達障害」を含む精神障害が加わったのです。

ただし、法律の対象とするためには、障害の程度が条件を満たしている必要があります。

また、精神障害者については精神障害者保健福祉手帳の所持者であることが前提です。

対象企業の拡大

改正前は民間の場合、従業員50人以上の企業に対して障害者雇用の義務が課せられていました。

改正後は45.5人以上に変更されています。

法定雇用率の見直し

改正前は民間の法定雇用率は2.0%でした。

改正後は2.2%にアップし、その後段階的に引き上げられて2021年4月までに2.3%となることが決まっています。

精神障害者にとって改正が追い風に!

障害者雇用促進法の対象に精神障害者が加わったことは大きな前進といえるでしょう。

特に発達障害を抱えている人は非常に増えていると考えられているため、法改正が転職や就職の追い風になる可能性も低くありません。

ただし、精神障害者手帳を持っていることが前提となっているので、まだ申請をしていない人は積極的に手続きを進めると良いでしょう。

企業間の引き抜き合戦も?

法定雇用率を満たさない企業には納付金が課せられるだけでなく、悪質な企業については企業名を公表することになりました。

企業名が公表されるとイメージダウンは避けられません。

そのため、比較的軽度の障害者を引き抜こうとする企業も出てきました。

障害者にとってはより良い条件で働けるようになるチャンスともいえるでしょう。

転職したいときに利用できるサービスについて知ろう

障害者が転職したいとき利用できる主なサービスとしては下記の4つが挙げられます。

  1. 転職サイト
  2. 転職エージェント
  3. 就労移行支援事業所
  4. ハローワーク

転職サイトと転職エージェント

転職サイトとは基本的に自分でサイト内の求人を検索して、自分で企業にアプローチする仕組みです。

一方、転職エージェントとは求職者と企業のあいだを取り持ってマッチングするサービスのこと。

基本的に、利用に料金がかかりません。

というのも、転職エージェントは求人を出した企業側から報酬を得ているためです。

1つのサイトでこの2つのサービスを両方利用できるというケースも増えています。

就労移行支援事業所

一方、就労移行支援とは「障害者総合支援法」という法律に基づいて、障害者の社会参加をサポートする国の支援制度です。

就労移行支援にたずさわる事業所には国から助成金が支払われる仕組みです。

就労移行支援事業所は大きく「就労移行支援」と「就労継続支援」の2つに分けられます。

このうち、「就労移行支援」とは一般企業への就職を目指す人向けのサービスで、一方の「就労継続支援」は一般企業への就職が難しい人向けの内容になっています。

事業所自体はあくまでも民間企業による運営なので、サービスの内容は一様ではありません。

そのため、良い事業所を見つけることがポイントになってくるでしょう。

また、すぐに収入が得られるとは限らない点にも注意が必要です。

ハローワーク

ハローワークとは、厚生労働省が管轄する公共職業安定所の愛称です。

国の制度なので全国各地に設置されていますが、利用者は障害者に限らないので、障害者が積極的に利用することはあまりないかもしれませんね。

転職したい障害者におすすめの転職サイトや転職エージェントとは!

ここからは、具体的におすすめの転職サイトや転職エージェントについて紹介します。

これらのサービスを利用するときに知っておかなくてはならないのが、非公開案件といわれる求人です。

企業はより良い人材を集めるために、つながりの深い転職エージェントのみにしか求人を公開していないことがあるのです。

そのため、転職サイトで検索してもわからない求人を、転職エージェントなら持っているということが起こります。

とはいえ、検索サイトは手軽に求人の傾向や条件など、概要をつかむのには適しています。

上手に使い分けると良いでしょう。

イチオシは「atGP転職」

アイキャッチ画像-atGP転職

「atGP転職」は障害者の総合就職・転職サービスです。

10年以上にわたって障害者の転職をサポートしてきた歴史があり、実績も業界トップクラスです。

求人の検索と転職エージェントの利用ができます。

通常の検索でも求人数は常時1000件以上。

非公開求人が8割をしめているため、全体の求人数は5000件以上あることになります。

大手企業の求人も少なくありません。

「atGP転職」の魅力は、障害者の立場に真によりそった手厚いサポートが受けられる点にあります。

転職エージェントに申し込むと最初に専任のキャリアアドバイザーと1~2時間程度面談を持つことになるでしょう。

その後はキャリアアドバイザーによって、いわゆる「かゆいところに手が届く」サポートが受けられるのです。

良い求人への応募や書類の管理、企業との交渉もおまかせできます。

履歴書の書き方や面接の心構えまでフォローしてもらえるため、非常に安心ではないでしょうか。

そもそも、一口に障害者といっても抱えている障害はさまざまです。

ところが、障害者向け転職サイトのなかには、細かな障害や条件について指定できないケースも少なくありません。

しかし、「atGP転職」ならよりきめ細やかなサポートが受けられるのです。

その主な種類を挙げてみましょう。

  1. 「atGPアリスート」障害者アスリート向けの就職・転職サービス
  2. 「atGPハイクラス」高い専門性を持った障害者向けの就職・転職サービス
  3. 「シゴトライ」うつ症状がある人向けの就職支援サービス
  4. 「リンクビー」発達障害のある人向けの就職支援サービス「
  5. リドアーズ」統合失調症の人向けの就職支援サービス

このほかにも多様なサービスを提供しています。

もし、転職サイト・転職エージェント選びに迷っているなら、まずは「atGP転職」を利用してみてはいかがでしょうか。

女性の障害者なら女性専用サイトを利用するという手も

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「ぽじチャレ」は1997年創業の株式会社セントメディアが運営する障害者向けの就職・転職サイトです。

その特徴は、女性の視点に立ったサポートを提供していること。

あつかっている求人も大多数が女性向けです。

常時4000件の求人数があり障害者に理解のある企業のみを紹介していることから退職者が少ないという特徴があります。

2019年1月時点では公式サイトに「3カ月以内の退職者数がゼロ」とうたわれているほどです。

ただし、対象は身体障害者のみ。

また、企業の所在地が首都圏と関西圏に限られている点にも注意しましょう。

大阪や兵庫、東京や神奈川、千葉などに住んでいる身体障害者の女性なら、大手企業に就職できる可能性があります。

※追記

「ポジチャレ」は2019年3月をもちまして、サービスが停止してしまったため、ただいま紹介した内容はその時点までの情報となりますのでご注意ください。

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転職サイト・転職エージェントは複数利用するのが鉄則!

転職サイトや転職エージェントを利用するなら、複数のサービスに登録するのは基本中の基本です。

というのも、サイトごとに抱えている求人が違っている可能性が高いためです。

特に、非公開求人にどんなものがあるのかは外部からではわからないので、実際に登録してみる必要があるでしょう。

特に転職エージェントの場合は「当たり外れがある」という問題があります。

担当スタッフと相性が良くない場合も少なくありません。

担当スタッフを変更してもらうことも可能ではありますが、最も重要なポイントは自分に合ったエージェントを見つけること。

選択肢を広げるためにも、必ず転職サイトや転職エージェントは複数利用することを心がけましょう。

求人数の多いサービスを利用することも大切です。

押えておきたい大手といえば「dodaチャレンジ」

アイキャッチ画像-dodaチャレンジ

一般的な転職総合サービスとしてもおなじみのdoda。

そんなdodaが提供している障害者向け転職サービスが「dodaチャレンジ」です。

首都圏の求人数は255件、関西圏の求人数は127件と、他サイトに比べると求人数は決して多くありません。

しかし、全国各地で求人を探せるのは大きな魅力ではないでしょうか。

首都圏や関西圏だけをターゲットとした障害者向け転職サイトも珍しくないためです。

たとえば、北海道・東北エリアなら41件、中部は134件の求人が掲載されています(いずれも2019年1月時点)。

そもそも、dodaのサービスは質が良いことで定評があるため、押えておいて損はないサイトといえるでしょう。

「アビリティスタッフィング」も要チェック

アイキャッチ画像-アビリティスタッフィング

「アビリティスタッフィング」は、リクルートグループが提供する障害者向け人材紹介事業です。

老舗企業だけに大手企業とのつながりも深く、安定性があるのがメリットといえるでしょう。

精神障害者の雇用実績もあります。

ただし、対象エリアは首都圏のみで、求人は事務職がほとんどです。

首都圏に住む障害者で事務職を希望している人は登録しておくことをおすすめします。

障害者でも転職や就職をあきらめないで!

障害者雇用水増し問題や改正・障害者雇用促進法の施行によって障害者雇用に対する関心が高まってきています。

特に精神障害者にとっては大きな追い風が吹いているともいえるでしょう。

障害者雇用枠を埋めるために、障害者の争奪戦が起こる可能性も高く、より有利な条件で就労できる可能性も出てきました。

とはいえ、企業側が一定の能力を求めているのも事実。

転職や就職を有利に進めるために、スキルや知識の習得につとめましょう。

なにも行動を起こさないうちに転職や就職をあきらめてしまうのは非常にもったいないことです。